同族会社への貸付金は、相続財産になるのか?

同族会社への貸付金は相続財産になるのか?

被相続人Aが経営者だったとします。生前に自分の会社(同族会社)に対する貸付金が存在していた場合には、これは相続財産となります。

しかし、生前に貸付金を放棄して、その同族会社に対して債務免除をしていた場合には、相続財産とはならないのでしょうか?
ここで同族会社の行為計算の否認規定が問題となります。それによってAの債務免除そのものが否定されないかという問題です。

同族会社の行為計算の否認とは、その文言上から同族会社そのものが行なう行為が対象となります。つまり同族会社以外の第三者が行なう単独行為は、同族会社の行為計算の否認規定の対象とはなりません。

Aは、その第三者に該当します。Aが同族会社に貸しつけていたお金を放棄するということは、上記の単独行為となります。ですので、Aの行為が同族会社の行為計算の否認に該当し、その放棄がなかったことになる、とういうことは、ありません。つまり貸付金の放棄は、そのまま認められ相続財産の対象とはならなくなります。

また同族会社からすれば、債務を免除してもらったので、債務免除益が発生し法人税の課税対象となります。

さらに、その債務放棄による債務免除益が、同族株主の持分を増加させる場合には、債権放棄をした株主Aから他の同族株主に対して持分増加による利益を贈与したものと見なされることがあるので注意が必要です。

実務的には、同族会社に対する貸付金がある場合には、生前に少しづつ返済するか放棄をして、逓減的に減少させておくと良いです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です